みなさんも心の中で勝手に師匠にしている人がいると思います。
私もが何人かおりまして、ビジネスデザイナーの濱口秀司さん(@hideshione)と言わずもがなのコピーライター糸井重里さん(@itoi_shigesato)のお二人がそうなのです。
他の師匠には、ジャックニコルソン、セクシー女優、娘のクラスメイトで独創的で面白いやつ、などです。
で、お二人はTwitterをされていて、私は当然二人ともフォローしてます。
師匠同士のやりとりしていることがあり、私はその度に興奮のあまりヨダレを垂らします。
先日、脱水するほど垂涎したトピックがありました。その内容がこちら。
君は三つのチカラを持っているか?
— Hideshi Hamaguchi (@hideshione) 2016年12月23日
(1)面白がるチカラ
(2)面白くするチカラ
(3)面白がらせるチカラ
三つともぜんぶないといけないんだよなー。 https://t.co/zrgTuJKi1H
— 糸井 重里 (@itoi_shigesato) 2016年12月23日
@itoi_shigesato そうなんです!ひとつでも欠けると機能しない。 https://t.co/tKtfv4SH7y
— Hideshi Hamaguchi (@hideshione) 2016年12月23日
ズキズキします。 https://t.co/7GKrL6ZWk2
— 糸井 重里 (@itoi_shigesato) 2016年12月23日
@itoi_shigesato 僕もズキズキします。(最初の波が強いと後の二つは自然に波に乗れるのでw、まず徹底的に鍛えるべきは面白がるチカラかも。) https://t.co/6WUe6qGX54
— Hideshi Hamaguchi (@hideshione) 2016年12月23日
持ってない!これっぽちもないよ、「面白がるチカラ」!
うぉー!ギブミー「面白がるチカラ」。
もうね、どんくらい持ってないかというと、高杉晋作の辞世の句「面白き事もなき世を面白く」を座右の銘にしちゃうくらい。
そうなんだよそう、この世界はなんて面白くないことばっかりなんだよ、みたいな。
わたし間違ってました。どう考えても「面白がるチカラ」がないからこういう考えになるんです。
そして師匠はこうもおっしゃってます。
これからの世界を支配する3つのフォース。
— Hideshi Hamaguchi (@hideshione) 2015年9月14日
面白がる力、面白がらせる力。面白くする力。
これからの世界は「面白がるチカラ」が重要になると。
でもチカラということは、何かしらの方法で身につけて強化することのできる技術ということになります。
じゃあ、どうやって身につければいいんだ!
小学校でも習ってないし、とりあえずユーキャンに「面白がる力講座」はない模様。
じゃあ自分で作れなければならないのか?
いやいや、こんな大事なことは先人たちが間違えなく開拓してきたはず。
というわけで、グーグル先生に聞いてみました。
「面白がるチカラ」の検索結果
所ジョージ氏の面白がるチカラ
http://www.nhk.or.jp/hanamichi/p2013/131104.html
検索最上位にくるのは、遊びの天才、所ジョージ氏がNHK教育テレビで、勉強などつまらないものをどう面白がるかを講義した、という内容のページです。
まとめると、以下のようです。
- 調べ魔になる
- まずは基本情報を調べ、そこから知らなかったことをチェックしてみる。
- 書いてあることを疑い、本当かどうか証明するために枝を伸ばして調べていく。
- 大切なことは「自分が納得いくまで調べる」こと。そうすれば面白くなる。
- 自分の好きなものに置き換える
- 例えば、浮世絵士を覚えるなら料理に置き換えてみる。
- 喜多川歌麿と言えば、最高峰の美人画絵師。繊細なタッチで女性の美しさを表現する様は彩り、盛りつけが美しい、『懐石料理』
- 東洲斎写楽は、歌舞伎など、迫力のある役者絵が有名。歌舞伎にゆかりがあるものとして、その幕間に食べたのが発祥とされる、『幕の内弁当』
- など
- 自分の好きなもの・興味があるもので捉えることで面白くなる。
- 例えば、浮世絵士を覚えるなら料理に置き換えてみる。
- 新しいものを作る
- 所ジョージ氏曰く「歴史に名を残す」
- その面白がる対象の分野で、誰もやってないことを創造して楽しめば面白くなる。
- 日常生活に取り入れる
- 日常生活の中で会話・慣習・娯楽などに取り入れると習慣化し、楽しくなり面白くなる。
- 例えば、花火を見に行ったときに「炎色反応が黄色だからナトリウムだな」などと考えると、身近に感じられて楽しい、など。
リストにはないけれど、他にも「自分の感情に引きつけるようにしてみる」「『運動しないとお風呂に入れないというルールを作る』などの仕組み化する」などのテクニックが盛りだくさんで、さすがはNHKさんです。
荒俣宏氏の面白がるチカラ
http://www.asahi.com/ad/koboTouch/
次に、作家でもあり雑学王というイメージの定着している荒俣宏氏さんの講演内容のページです。
まとめると、以下のようです。
- 一言で表すくらいシンプル化してとらえる
- 一言で表せるくらい自分の中で消化できると面白くなる。
- 例:三国志=「判子をめぐるバトルの物語」、ファウスト=「ワイドショーでとりあげられるような事件を描いたスキャンダラスな作品」
- 知識を結びつける
- 「江戸時代の漫画は大人が読むもので、奇抜なアイデアがとにかく面白い。(中略) 江戸時代は江戸は眼鏡の輸入大国であり、当時、眼鏡は魔法のようなものとして一大ブームとなり、目がいい人もかけていたという。」
- 知識を水平展開できるとつながりが生まれ、面白くなる。
- 師匠を持つ
- 師匠を持つと世界が大きく広がり面白くなる。
- 荒俣氏は、中学時代から、作家や研究者に直接手紙を書いて弟子入りをお願いし交流を持った。
- 自分の好きを広げる
- 荒俣氏曰く「いい本もあれば悪い本もあるので、何よりたくさん読むことが大切です。」「どんな本でも面白がれる力をつければ、世界がぐっと広がります。」
- 知識が広がることで、新たな発見があったり、交流が増えたりと面白くなります。
イオン専務 山梨広一氏の面白がるチカラ
「面白がるチカラ」というそのものズバリの本はないんですが、イオン専務 山梨広一氏の著書に 「プロボカティブ・シンキング(面白がる思考)」というものがあり、面白がるチカラを鍛える方法について書かれているようです。
この本のまとめのサイトが検索の上位に来ます。
http://studyhacker.net/columns/omoshirogaru-chikara http://ameblo.jp/axis-ye/entry-10766994229.html
まとめると、以下のようです。
- 「できる」と可能性を信じる
- 山梨氏曰く「「無理だ」「難しい」「バカバカしい」が口癖のようになっている人は、もう最高に面白くない人だ」
- 目標(生み出そうとする価値)をハイレベルに設定する
- とりあえず、やってみよう
- 好奇心を持つ
- 「できる」と発想したら、それからそれを「どうやったらできるか?」考える
- 収集した情報からたくさんの多様なメッセージを読み取ろうと楽しむ
- 特異な情報に着目する
- 論理的に解決してみる
- 異分野のフレームワークを借用する
- 因数分解して他の情報との共通項を探す
- 視点(主語)を変えてみる
本を読まずにまとめを斜め読みしただけですが、論理的に組み立てパズルのように楽しむ、面白がる、ということですかね。
ちなみに、プロヴォカティブ(provocative)は「可能性を信じ、可能性を広げる」という意味だそうです。初耳でした。
つまり「面白がるチカラ」とは?
先人たちの知恵はいろいろあるようですが、どうも画一して体系だっていないようにます。
おそらくですが、面白がるチカラは主観的であって人それぞれが異なる、という予想です。
ので、私なりに「面白がるチカラ」まとめてみますが、みなさまにはマッチしないかもしれません。
私としてはこうです。
面白がるチカラとは、自分の「好き」を信じて「好き」の限界を広げる技術。
「好きを広げる」の可能性は、
どこまで「好き」になれるか?
と言い換えることができます。これは、
- 「自分」→「好き」そのものになることがどれほどできるか?
- 自分の外のことを、どれだけ「好き」に変えることができるか?
という2つの意味です。
つまり「面白がる」とは、自分=好きを内側に広げていくこと、ということになります。
そして、好きを広げる技術はこうです。
- 好きを知る
- 自分を「好き」を知っている、何が「好き」かを言えるチカラ
- 好きなことに対しての知らないことを楽しみ、を埋めていく
- 好きをつなげる
- 新しいものを視点を変えて、すでに持つ「好き」につながる場所を見つけるチカラ
- 時には、切ったり、貼ったり、してつながるよう変えて「好き」につなげる
- 好きを教わる
- 仲間や師匠など、好きになっている先人に教えを請う
- 教わったり、指摘してもらったりして、好きを広げていくチカラ
- 好きを教える
- 「好き」を他の人にも教えて広げる
- 全体を一言で言えたり一部の詳細を言えたり、相手の「好き」に言い換えられたりするチカラ
- 好きを作る
- 新しい「好き」を作り出すチカラ
- 取り入れたことを組み合わせて、まだこの世にない「好き」を創造する
- 好きを続ける
- 自分の「好き」は、自分だけのもの。
- 限界はわからないけど、自分の好きを信じてわからないことを楽しみ、広げ続けるチカラ
自我である「自分」なんてものはなく、「好き」そのものが自分なのかもしれない、というちょっと哲学めいた話になりますが。 私は、哲学が「好き」なので、これで飲み込みます。
最初に戻る
方向が合ってるのかよくわかりませんので最初に立ち返ります。
1. 面白がるチカラ
2. 面白くするチカラ
3. 面白がらせるチカラ
これからの世界に必要なのはこれでしたね。
- 面白くするチカラは、自分の好きに変える技術
- 面白がらせるチカラは、自分の好きを他人の好きに変える技術
と言い換えられるかもしれません。
この理解で、面白くするチカラは「好きをつなげる」が、面白がらせるのは「好き教える」がメインと言えそうですが、端的にどの項目とは言えません。
でもこれが、糸井氏のつぶやき「ひとつでも欠けると機能しない」につながるかもしれません。
3つのチカラは三位一体かもしれない、ということです。呼吸が、吸入→交換→排出、の3つからなって分けられないかのように。
まとめ
面白がる=「好き」なところを見つけたら、自分に取り入れ広げる
面白くする=取り入れたら、できるだけ「好き」に変える、新たな「好き」を作り出す
面白がらせる=「好き」を世界に放って広げていく
この出たり入ったりを、呼吸のように繰り返す。それを楽しむ。
その感情を受け取る続けること、それを広げることが、これからの世界に必要なことなのかもしれません。
高次元にいる師匠たちとの解釈と、知的底辺の理解ではちがうかもしれませんが、ちょっとこれで邁進できそうな気がしてます。

- 作者: 山梨広一
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